『本会の平和への取り組み』
品川教会長 鈴木啓太郎
謹啓、時下ますますご健勝のことと存じます。
新型コロナウィルス感染も重症化率は低いとはいえ感染者は収まらず、熱中症の心配もありますので、会員さんの道場参拝は自粛頂いております。どうか 皆さまもご健康には十分ご留意され、お元気に過ごされます事をお祈りしております。
8月15日は77回目の終戦の日を迎え、本会では「戦争犠牲者慰霊・平和祈願の日」を行ないます。教会での式典は行ないませんが、大聖堂での慰霊供養、体験説法、庭野(にわの)日鑛(にちこう)会長の法話はユーチューブ配信を通して拝聴できます。この日、本会では、日本人のみならず世界中の全戦没者に対する真心からの慰霊と共に、戦争の悲惨さ、平和の有難さを語り継ぎ、平和に向けての努力を決意する日としています。
先の第二次世界大戦で亡くなられた方は、日本人で310万人、世界中では 数千万人を数えます。そして、今なおウクライナでの戦争をはじめ、世界各地の紛争で多くの尊い命が失われています。この日はすべての戦没者の慰霊と共に、一日も早く世界の紛争がなくなり、世界中のすべての人が安心して暮らせるよう「非戦の誓いを立てる日」であります。それでは立正佼成会会員は平和な世界実現に向かって何を努力したらよいのでしょうか?
庭野(にわの)日(にっ)敬(きょう) 立正佼成会開祖はご著書「平和への道」の中で、まず「心から 広がっていく平和」が大事と示されました。ユネスコ憲章の前文に「戦争は人の心から起こる。ゆえに平和の砦(とりで)は人の心の上に築かれねばならない」とあります。そのために、倫理・道徳の教えも大事ですが、正しい宗教を通して人間の心にある自己中心の煩悩の心を清め、その奥にある慈悲の心(仏性)を 磨き出すことが欠かせないと、まず、自らの心を平和にしていく大切さを強調しています。
そして二つ目は「形から推し進める平和」であります。今、世界には平和を 脅かすさまざまな問題が山積しています。立正佼成会としても世界の平和を 祈ると共に、平和な社会づくりに向けて具体的に取り組むことを大切にしています。本会は宗教や民族を越えて、世界の苦しむ人の幸せを祈り、献金する 「一食を捧げる運動」に取り組み、その支援はこれまで140億円を超えています。
その他、国内や世界の宗教者が協力して平和に取り組む「宗教協力」の活動、人々の善意の心を呼び起こし、地域での奉仕活動を行なう「明るい社会づくり運動」にも取り組んでいます。そして、優しく思いやりの心をもった平和な人づくり、菩薩づくりが基本であります。
お互いさまに、自らが「平和の人」になることを決意し、平和な社会づくりに向けて自分にできる化他行、菩薩行に精進して参りましょう。
皆さまのご支援、ご協力を賜りますようよろしくお願い致します。
合掌